〜とりあえずの完結編〜
多分、映画としては少ない方の劇版音楽の数だったと思われるこの『斜陽』が無事初号試写を迎えたのが2022年7月。
今回初めての経験だったので色々な映画用語も覚えました。初号(ゼロ号とも言うらしい)とは一般公開前に関係者に観せる完成した映像の事。これがそのまま各映画館で上映されます。
その初号試写を迎える前に一番大事なMAという作業がありました。編集が終わった映像に音楽とサウンドエフェクト『SE=効果音』(風の音とか鳥の声とか)を乗せて映画を完成させていく作業です。
場合により、そこで録音が行われたりします。


映画は作業工程が多いので究極の分担作業作品ともいえるな〜、と思ったMAでした。監督やプロデューサーさん達からの希望はもちろん伝えて具体化していくけれど、同じぐらいの重みがそれぞれ担当している人達に与えられているものなんだなァ、と。

(近藤監督と栗原プロデューサー)
MAが終わってしまえば映画に関係するお仕事は何もなく、ただ初号の連絡を待つのみなワタクシ。
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そしていよいよ初号試写を迎えドキドキしながらスクリーンを見つめるのであった。


試写は、なんか、映画の方に引き込まれちゃって、自分が作った音楽である事を忘れ去った状態で終わりました(^_^;)。
観ている方々を観察したいと思っていたのにすっかり忘れて。。。

試写に集まった『バラダン』の皆さんとヴァイオリニスト平松加奈さんと近藤監督。

試写後のパーティーにて、近藤監督と。
そして、2022年11月4日、映画は全国公開になりました。
必ず映画館で観たいと思っていたにもかかわらずなかなか観に行かれず、そうこうしている間に上映終了の映画館がポツポツ出始めます。当たり前な事ですが、観客が少なくなり、さらに観る人がいなくなれば映画館でもただ映し続けるわけにはいきませんものね。
しか〜し、11月後半、参加しているPasquaというグループの東海西日本ツアー最中に、名古屋の名演小劇場にて観ることができました。お客さんは少なかったけれど、皆パンフレットを買い求めていたのでよかったんじゃないかな〜、とホッとしました。


これで、ワタシの初めての映画音楽製作は終わりです。
個人的に自分に対して思うところはありますが、まずはこの機会を与えてくださった近藤監督に心から感謝したいと思います。ありがとうございます。
お酒の席だったとはいえ、『ニーノロータか海沼正利か』と言ってくれた監督の言葉はこの小さな心をくすぐってくれました。
不安が多かったであろう音楽担当者の私をいつも『いいね〜』と言い続けてくださった栗原さんや音楽プロデューサーの市川さんはじめ各プロデューサの皆様、録音に携わっていただいた『バラダン』とソリストの皆様、そして、何より近藤監督と出会わせてくれたorinovivoリーダーの緒方美穂嬢、ありがとうございました。
2023年に入り映画のDVD化も決まりました。製作は終わりましたが、映画に関して新たな情報が入りましたら時々更新したいと思います。
お読みいただきありがとうございます。
海沼正利
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